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音楽使用許諾について

音楽の合法的使用についてフィットネスのプロが知っておくべきこと

ジムからスタジオまで、音楽はエクササイズエクスベリエンスになくてはならない要素です。スタジオのインストラクターは音楽を使って運動強度を調節し、雰囲気を作り、モチベーションを上げて心身の健康を増進します。クラブマネジャーは、適切な音楽を選択できるかできないかで、会員のワークアウト工クスペリ工ンスが、向上したり、台無しになったりするということをよくご存知でしょう。しかしながら、特定の雰囲気や環境を作るための音楽の使い方を知っているということは、音楽に関する知識のほんの一部分でしかありません。フィットネスのプロとクラブマネジャーは、フィットネスクラブでの音楽使用に伴う法的義務についても知っておかなければなりません。

前述の通り2011年4月より、フィットネスクラブ、プール、スポーツ施設等の施設内で音楽を使用する場合、JASRAC(一般社団法人日本音楽著作権協会)に対する音楽使用料の支払いが開始されることが決定しました。この背景には、2000年の著作権法改正によって、それまで自由利用が認められていた分野でCDなどの録音物を再生する場合にも著作権の手続きが必要となったことがあります。この改正により、フィットネスクラブやプール、その他スポーツ施設等にも著作権が及ぶこととなりました。この流れを踏まえ、JASRACと社団法人日本フィッ卜ネス産業協会(以下「FIA」)が2007年から協議を続けた結果、2010年12月に使用料規定が改定され、今年4月から音楽使用料の徴収が開始されることとなったのです。

これに伴い、皆様からさまざまなご質問をいただきましたので、以下に回答を添えてご紹介したいと思います。

ブラボーグループのCDは著作権をクリアしているはずなのに、なぜまた使用料が発生するの?

「CDの制作・販売」→「お客様が購入」→「スタジオ等で使用」という流れの中で権利処理が必要となる主な「著作権」が下記の通り2つあります。

①複製権:音源を録音してCDを制作する権利 ②演奏権:CDをスタジオ等で再生する権利

ブラボーグループのCDがクリアしている著作権は①の「複製権」までです。CDを合法的に制作するために必要な「複製権」の使用許諾は、各製作会社がすでに取得済みで、権利処理や権利使用料の支払いはCDを制作した時点で完了していますので、今後お客様に使用料をお支払いいただく必要はありません。今回JASRACによる徴収が開始される使用料というのは、②の「演奏権」に関わる部分です。

そもそも著作権って何?

著作権とは、著作者が著作物(音楽、文章、グラフィック、写真、映画など)に対して持っている権利の総称です。著作権は著作者人格権(著作物を公表する際に実名を添えるかどうか決めたり、内容を意に反して変えられないようにする権利)と財産権(複製や上演を行う権利などの財産的な権利)に分けることかできますが、演奏権は財産権に属する権利です。著作権者は著作物について排他的に利用できる事に加えて、利用を希望する者に対して許諾を与えることもできます。

収録されている音楽の著作権は誰が所有しているの?

CDに収録されている音楽の権利の所有者は通常、複数人います。その音楽を作った作曲家は、その音楽作品に権利を有しています。歌詞を書いた人は、その歌詞に権利を有しています。その音楽を演奏するアーテイストは、自身のライブパフォーマンスの録音に権利を有しています。また、レコード制作者(通常、レコード会社)は、その録音物に権利を有しています。

演奏権って何?

演奏権とは、音楽を演奏したり、音楽が収録された録音物を再生したりする際に生じる権利で、営利を目的とせず、音楽を聴く人から料金を取らず、また音楽を伴う実演をする人に報酬を支払わない場合を除いてクリアしなければいけないものです。

演奏権料は誰が受け取るの?

演奏権料は通常、以下の2種類の権利所有者が受け取ります。「楽曲」の作詞家と作曲家、すなわち歌詞を書いた人と曲を作った人です。

なぜフィットネスクラブは今になって演奏権料を支払う必要があるの?

フィットネスクラブにおける「演奏権」の権利使用料というのは、2000年の著作権法改正以降、法的には徴収の対象でありながらも実際には徴収開始に至っていなかった部分で、FIAとJASRACの数年に渡る協議の結果、今年から使用料の徴収が始まることに決定したという経緯があります。

他の業界に演奏権料の支払い義務はない?

実は、営業する上で音楽を流している他の業界(カラオケバー、レストラン、小売店、ダンスクラブ、社交ダンス教室、コンサート会場など)はこれまで長年、演奏権料の支払いを義務付けられてきました。

JASRACに支払われる演奏権料の適用範囲は?

現在のところ、たとえばエアロビクス、ダンス、サーキットトレーニング、マシントレーニング、アクアビクス等の運動を行う目的で用意されたスタジオ、マシンジム、プールに使用される音楽が適用範囲となっています。

有線音楽放送、テレビやラジオを流している場合演奏権料を支払う必要がある?

有線音楽放送、テレビやラジオについては演奏権料は発生しません。従って、「施設で利用している音楽は有線音楽放送、テレビ、ラジオのみ」という場合には何の使用料も発生しないことになります。

では、フロントやロビー等でCDをBGMとして流す場合使用料を支払う必要がある?

CDをBGMとして流す場合は“BGMとしての利用”として演奏権使用料が発生します。但し、今回の演奏権使用料支払い開始に伴い施設として手続きを完了している場合は(月額で使用料を支払う場合は)この“BGMとしての利用”にかかる演奏権使用料は免除されます。

演奏権料を支払う義務があるのは誰?

音楽の演奏から利益を得ているのは皆様の事業または会社ですから、支払い義務はフィットネスクラブに対して発生します。この義務は他者に転嫁することはできません(雇用されているインストラクターが契約社員であっても同様)。したがって、インストラクター個人ではなく、会費を徴収する施設に対して支払い義務が発生します。

演奏権を支払うのがフィットネスクラブの義務ならば、インストラクターが負うべき責任はないの?

インストラクターには、①購入したCDをコピーして友人や他のインス卜ラクターに譲渡しない②複製権をクリアした正規のCDを使用するという責任があります。CD購入によってその購入者に与えられる権利は、そのCDを物理的に所有する権利だけです。つまり、プライベートでそのCDを聴く、そのCD自体を他者に譲渡する、自分が持っている音楽のバックアップをとる権利が与えられます。CDを他者への譲渡や自分で楽しむ以外の目的(飲食店やブティックなどで流すことや、まさしくフィットネスのレッスンで利用する目的)としてコピーすることは、前述の「複製権」をクリアしていないCDを制作することになり、明らかな著作権法違反となります。もちろん、施設側にも違法なCDを利用しないよう指導監督する責任はあると思われます。

米国など他国ではどうなっているの?

米国、英国、オーストラリアなど他国のフィットネスクラブはすでに長年、演奏権を支払っています。実際のところ日本は、こうした使用料をフィットネスクラブから徴収するということがこれまで行われていなかった主要マーケットの1つなのです。

フィットネスクラブlこ対するJASRACの演奏権料は、他国のクラブが支払っている演奏権料に比べて安い、それとも高い?

音楽著作権法とその実施はたいへん複雑です。各国の演奏権料の規定、徴収組織、計算方法、料金体系、適用範囲は実にさまざまです。したがって、マーケット全体で‘正当に比較することはかなり難しい状況です。

権利処理の流れ

施設ごとの月額使用料の算出方法やその他の詳細につきましては、JASRACの各支部ヘ直接お問合せください。
JASRACウェブサイト:http://www.jasrac.or.jp/

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